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「クネイトラ」
「クネイトラ」という町をご存知でしょうか?私もシリアに入るまで聞いた事もない町でした。
シリア西部ゴラン高原にあるこの町、1967年イスラエルとの戦争により占領され、74年のイスラエル軍撤退の際に破壊され今は廃墟となっています。
シリア政府は「イスラエルの残虐行為の記録」として、修復する事なく当時のまま残しています。
観光客も内務省で許可を取れば入域を許されるので、早速私たちも行ってきました。
許可自体はパスポート持参で内務省に行き、約1時間で許可証を発行してもらえます。
現在この町は、非武装地帯として国連の監視下にあり、勝手に動くことは許されず常に公認のガイドが張り付き、撮影禁止場所(国連施設、警察、国境周辺など)を撮影していないか見張っています。正直あまり気持ちのいいモンではありませんでした・・・
町はまさに「ゴーストタウン」、教会・モスク・病院はもとより、一般人の住居までが破壊されている・・・それも徹底的に。
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目の前に見えるゴラン高原は、今も尚イスラエルに占領されたままで、この地域の緊張した関係が現在のシリアとイスラエルの関係そのものだ。
人種と宗教が複雑に絡み合ったイスラエルとアラブ諸国の関係だけに、一方が正しくて、一方が悪いというような、簡単な図式では考えることができないが、いつの世も戦争で犠牲になるのは罪もない一般人である。そして、肉親や友人を殺された人々がさらにお互いに憎しみあう・・・
悪の連鎖である・・・
同時に、この問題は自国の利益だけを求め続けた大国の矛盾が生み出した結果でもある事を無視してはいけないと思う・・・
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by tateshi-nabae | 2005-10-25 21:36 | シリア旅行記


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