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聖地バラナシ
雨のおかげで2日遅れてバラナシへ着。
今まで雨のおかげで涼しかったのが嘘のような、あの悪魔のようなインドの暑さが復活。列車を一歩降りた途端、湿度を含んだ熱気が身体にまとわりついてきました。
ここバラナシはヒンズー教の聖地のひとつで、ガンガー(ガンジス川の事)で沐浴することがヒンズー教徒にとって最高の幸せらしいのです。

かつて「深夜特急」の著者、沢木耕太郎は、旅の途中でここバラナシへ立ち寄り、ふらふらと歩いているとやがて衝撃的な光景を目にします。
それは各地から集まった人々の死体を、ガンガーのほとりで火葬している光景でした。一度ガンガーの水で身体を清め、薪を組んでその上に遺体を乗せ焼くのです。
やがて灰になりその灰をガンガーへ流すと、全ての罪は清められ輪廻転生から解脱できるらしいのです。あとには何も残りません。家族もなく貧しい人々は、死期が近づくと自分を燃やすための僅かな薪代だけを持ってこの町へやってくるのです。

それと同じ光景を見るために火葬場を探しました。すると泊まっている宿から何百メートルも離れていない場所、町中にそれはありました。
タンカーの上には白・オレンジなどの各色にくるまれた遺体(男女・年齢によって色が異なるらしい)、燃えている薪の中にはハッキリと人の姿が見えました・・・
今燃えているこの人は、人生の最後に最高の夢を叶えることができたのだ。そう考えるとなぜか不思議と怖いとか気持ち悪いとかいう感情はなく、人が生まれそして死ぬ。ごくごく当たり前のことが起こっているに過ぎない、今まで自分はそこから目をそらしているだけなのだと。
1時間ほどの間の出来事でしたが、とても長い時間に感じられました。




聖地バラナシ_c0007557_19515428.jpg

by tateshi-nabae | 2005-07-11 01:01 | インド旅行記


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